遊廓跡地を訪ねて 京口新地

丹波篠山にあった京口新地。

全国遊廓案内では貸座敷2軒、娼妓約110名と記述してあります。
(貸座敷と娼妓のバランスの悪さにはここでは触れません)

京口新地といえば、映画「愛のコリーダ」の題材になった阿部定事件の犯人、阿部定が遊女として最後に勤めていた大正楼があった場所として有名です。

その大正楼、2018年の台風によって壊滅的な打撃を受けたために年内に取り壊されるという噂を聞きつけ、2018年12月16日、奈良の静観荘への宿泊後に見学にやってきました。

大津が見に行く計画をすると、解体フラグが立ち、絶賛解体中の姿を目の当たりににするという、いつものお約束通りの結末になるのか……。

ぼたん亭で腹ごしらえの後

京口新地があった場所へやって参りました。

夢にまで見た大正楼まだ現存していました!
(2018年12月16日現在)

出入口上部の家紋。

側面の意匠。
どれもきちんと残っています。

出入口及び側面には標識が張り出されていました。

簡単に意訳すると、

建物が壊れて危険な状態だから、建物の持主は平成31年1月11日までに建物を取り壊すか修繕を行いなさい。
行われない場合は行政代執行でこの建物をぶっ壊しますよ。

という意味です。
恐らく、本文の平成30年12月7日という日付が一人歩きしたか、「措置の期限が平成31年1月11日なので、年内に見にこないと壊されるよ」という意味合いで「年内に大正楼が壊される」という噂が流れたのでしょう。

裏側から見ると確かに天井が飛ばされていて大変な状態になっています。

これは行政代執行での取り壊しもやむを得ないですね。

続いてもう一軒、1階部分が洋風な妓楼。

こちらは台風の影響は無かったようです。

洋風な1階部分。

裏側は蔵まであってかなり重厚な造りですね。

10年くらい前までは他にも数軒建物が残っていましたが、現存するのはこの2軒。
そして大正楼もまもなく取り壊されることでしょう。

遊廓に泊まる (とんぼの本)
Posted at 2019.1.13
関根 虎洸
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